飛来タンチョウ、名は八郎 知内

飛来タンチョウ、名は八郎 知内 北海道新聞(6/26付)

6/18に北海道知内町の水田で撮影されたタンチョウは、中国などの大陸で生まれ秋田県大潟村で「八郎」と名付けられた個体であることが分かった。

 このタンチョウは18日朝、日本野鳥の会会員で元町職員の竹田徹夫さん(61)が町内の水田で撮影。19、22の両日にも町内の水田で観察された。タン
チョウの生態に詳しい専修道短大名誉教授で札幌に住む正富宏之さんに写真を送ったところ、「両翼の羽の特徴からみて『八郎』に間違いない」との回答があっ
た。

 正富さんによると「八郎」は4歳の成鳥で、性別は雄。2010年6月に大潟村で確認され、12月まで同村で生活。地元の「秋田タンチョウ友の会」が八郎
潟にちなんで名前を付け、人気を呼んだ。その後は宮城県大崎市や礼文島に移動。今年3月に再び大潟村に戻り、4月に青森県内で確認されたのを最後に消息を
絶っていた。

 「八郎」は酪農学園大が拾った羽を使って行った遺伝子解析で、道内ではなく中国などの大陸産であることが判明している。正富さんは「大陸で育った若い鳥がたまたま日本に渡り、繁殖地も繁殖相手も見つけられず、国内をウロウロしているのでは」と推測する。