ナベヅル:幼鳥1羽、北帰行 越冬11羽全て飛び立つ 八代盆地 /山口

ナベヅル:幼鳥1羽、北帰行 越冬11羽全て飛び立つ 八代盆地 /山口 毎日新聞(4/3付)

周南市八代の市鶴いこいの里センターは2日、八代盆地で越冬していたナベヅルの幼鳥1羽が、北帰行したと発表した。1日午後2時45分ごろに上空を旋回して西方向へ飛んで以降、姿が確認できないため、北帰行を始めたと判断した。これで越冬した11羽全てが八代盆地を離れた。

 3月30日に親鳥2羽が先に帰行し、幼鳥1羽が残っていた。センターによると、幼鳥は1日昼ごろから八代盆地の外に出て広範囲を飛ぶようになり、午後2時44分、監視所前の田んぼから再び飛び立った。天候が悪く、50分ごろに上空のツルを見失ったという。

 2日は早朝になっても監視所前で姿が見られず、午前9時から周辺地域を巡回したが、幼鳥は確認できなかった。センターは「無事に北帰行することを祈っている。秋には今シーズンの11羽より一羽でも多いツルに来てもらえたら」としている。【蒲原明佳】

〔山口東版〕

ナベヅル幼鳥1羽残る 周南・八代、5羽は北帰行

ナベヅル幼鳥1羽残る 周南・八代、5羽は北帰行 山口新聞(4/1付)

本州唯一のナベヅルの越冬地として知られる周南市の八代盆地で過ごしていたツル5羽が30日、飛び立ち、幼鳥1羽が残った。市ツル保護研究員の河村宜樹さん(81)は「幼鳥が1羽残るのは監視を続けてきた21年で初めて」と驚いている。5羽はシベリアに北帰行したとみられる。

同盆地には今シーズン、11羽が飛来。25日から北帰行を始め、現在は幼鳥1羽が残っている。市鶴いこいの里センターによると、5羽は午前10時ごろ相次いで上空に飛び上がり、八代盆地の北西方向に飛び去ったという。幼鳥は現在、1羽で田んぼの餌をついばみ、時折飛び上がって鳴きながら八代上空を旋回するものの、北帰行はせず餌場に戻っている。

監視員らは1羽で鳴く姿に「まるで親鳥を探しているよう」と心配。河村さんは「数日前に親離れさせられたことが原因では。天気が良くなれば1羽で北帰行することを願う」と話している。