移送ツル3羽放鳥見送り 周南の保護対策協が方針

移送ツル3羽放鳥見送り 周南の保護対策協が方針 読売新聞(9/29付)

周南市の八代盆地に飛来するナベヅルの保護対策を考える協議会(会長・木村健一郎市長)は28日、鹿児島県出水市の出水平野から5月に移送してきた3羽について、今年度の放鳥を見送る方針を決めた。

 周南市は2006年から、けがなどにより出水市で保護されたツルを移し、盆地に飛来したツルとともに過ごさせるために放鳥する事業を続けている。これまでに17羽を出水平野から移して15羽を放鳥したが、同盆地への飛来は確認されていない。

 この日の協議会では、ツルが翌年以降にシベリアから飛来する確率を上げるためには、例年の1~4羽ではなく、さらに多くのツルを一度に放す方が望ましいと判断。このため、今年度の放鳥を見送り、今後さらに出水市に移送を依頼していくことにしたという。

 周南市教委生涯学習課ツル担当の増山雄士さんは「盆地での昨季の飛来数は8羽で、危機的状況が続いている。少しでも増えるよう、効果がありそうなことに積極的に取り組んでいきたい」と話している。
2016年09月29日 Copyright © The Yomiuri Shimbun