ツルの越冬地 絶滅防ぐため分散を NHKニュース

ツルの越冬地 絶滅防ぐため分散を NHKニュース (11/27付)

鹿児島県にある世界最大のツルの越冬地で、鳥インフルエンザなどの感染症でツルが絶滅するのを防ごうと、環境省は、越冬地の分散を進めるための検討会の初会合を27日に開き、来年度、具体的な行動計画を作成することにしています。

   

東京都内で開かれた検討会の会合には、専門家のほか、ツルの保護や飼育に取り組んでいるグループの代表など7人の委員が出席しました。
鹿児島県出水市の出水平野は、毎年、シベリアなどから世界全体の7割に当たるおよそ1万3000羽の「ナベヅル」や「マナヅル」が飛来する世界最大の越冬地です。
特に「ナベヅル」は、世界に生息するおよそ9割が、出水平野で越冬するとみられています。
しかし、出水平野では3年前に鳥インフルエンザが発生し、ウイルスに感染した7羽の「ナベヅル」が死んでいて、環境省は、鳥インフルエンザなどの感染症で、ツルが絶滅するのを防ぐため、越冬地を日本各地に分散する必要があるとしています。
27日の会合で、環境省は、出水平野以外で安定的に、合わせて1000羽以上のナベヅルが越冬することを具体的な目標として、分散にあたっては新たな越冬地での農業被害や感染症への懸念に配慮することなど、基本的な考え方の案を示しました。
環境省は、委員の意見を踏まえて、今年度中に分散の考え方を取りまとめたうえで、来年度、具体的な行動計画を作成することにしています。